ワクチンって何なの? 第2回 ワクチンの効果、新しいワクチン

OUTLINE

新型コロナウイルスの感染や重症化を「免疫」の働きで防ぐためのワクチン開発が進んでいます。ワクチンを接種することで免疫ができる仕組み、ワクチンの効果を説明します。

ワクチンに期待する様々な予防効果

ワクチンとは、感染症やその重症化の予防に使う医薬品です。ワクチンは病原体のフリをして体の抵抗力である「免疫」に練習試合をさせ、本物の病原体との闘い方を事前に覚えさせます

ワクチンに期待する効果には、以下のようなものがあります*1。

  • 感染しなくなる(感染の予防)
  • 感染しても発症しなくなる(感染症の予防)
  • 発症しても重症化しなくなる(重症化の予防)
  • 接種していない人でも感染しにくくなる(集団免疫の獲得)

これらの効果は簡単には実現できません。また、効果があることを科学的に証明するには時間がかかります。そして、ワクチンを接種した後どのくらい早く効果が表れるのか、その効果はどのくらい長続きするのか、そもそもワクチンが十分安全なのかなどもワクチンの開発の中で調べていく必要があります。ワクチンは、さまざまな課題をクリアして初めて使えるようになります。そして、使い始めた後も継続してこうした調査が行われます。

ワクチンは作り方によっていくつも種類がある*2

ワクチンの作り方の代表的なタイプは以下の4つです。このほかに、対象とする病原体で分ける方法もあります。

  1. 生ワクチン
  2. 不活化ワクチン
  3. トキソイド
  4. その他

※WHO「E-learning course on Vaccine Safety Basics」を元にHealth Amulet編集部作成

生(なま)ワクチンとは、病原体を加工して、感染する力や症状を起こす力をぎりぎりまで弱めたものです。別の病気などで体の免疫力が極端に落ちている場合などには、感染症になってしまう可能性があります。はしかやおたふくかぜのワクチンがこのタイプです。

不活化(ふかつか)ワクチンとは、病原体を加工して、病原体の持つ感染する力や症状を起こす力をなくしたものです。複数回接種する必要がある場合があります。ポリオや子宮頸がんのワクチンがこのタイプです。

トキソイドとは、病原体ではなく病原体が生み出す毒素を倒すためのワクチンです。ジフテリアや破傷風といった菌が生み出す毒素に対して作られています。

その他のタイプとして、新しい技術を使ったワクチンも開発されています。たとえば、病原体を部品に分解してしまい、その部品をうまく使って体に練習させるワクチンがあります。使われる部品は、多くの場合病原体の設計図になっている部分です。たとえば、病原体の遺伝子(DNAなど)や核酸(mRNA(メッセンジャーアールエヌエー)など)などが使われます。使う部品を間違えてしまうと免疫がうまく鍛えられないため、研究が大変です。

今回、世界で使われ始めた新型コロナウイルスワクチン(ファイザー社やモデルナ社、アストラゼネカ社のワクチン)はこうした新しいタイプのワクチンです。