新型コロナウイルス ​感染するとどうなる? 感染と感染症、症状と経過

OUTLINE

新型コロナウイルスの感染症をCOVID-19と呼びます。コロナウイルスに感染しても、必ずCOVID-19になるわけではありません。感染症になると風邪のような症状がでますが、20%くらいの方は重症化します。

COVID-19は新型コロナウイルスの感染症のこと

「新型コロナウイルス(正式名はSARS-CoV-2)」はコロナウイルスの一種です。コロナウイルスは風邪の原因として知られていますが、今回のコロナウイルスはこれまでとは違う新型です。この新型コロナウイルスによる感染症を「COVID-19(コービッド-ナインティーン)」と呼びます。

「感染」と「感染症」の違い:潜伏期間

感染してから感染症になるまでの期間を潜伏期と呼びます。新型コロナウイルスの潜伏期間は、1日から14日の範囲で、一般的には5日前後と推定されています*2。

感染症とは、体内で増えた病原体のせいで発熱や吐き気、下痢や咳などの症状が出ている状態を指します。一方で感染とは、感染症になる前の、ウイルスや細菌などの病原体が体内で増え始めた状態(症状はまだ出ていない状態)を指します。もし体の抵抗力が強ければ、感染しても感染症にならずに病原体に勝つ(体から病原体をなくす、病原体の活動を止める)ことができます。その場合は症状がないまま(潜伏期だけ)です。

新型コロナウイルス感染症になると、どんな症状がでるの?

初期は、いわゆる「かぜ」と同じような症状です。中には、症状が出ない人もいます。WHO(世界保健機関)は最も多い症状として以下をあげています*1。

  • 発熱
  • 倦怠感
  • 乾いた咳(たんの出ない咳)

また、体の様々な痛み・鼻づまり・鼻水・喉の痛み・下痢などの症状が出る場合や、味覚・嗅覚がなくなる症状を訴える方もいます。発症者の80%は発症から1週間程度で回復します。

発症者の約20%が重症化すると言われています。普通の風邪症状が出てから約5~7日程度で、症状が急速に悪化して肺炎になり、呼吸困難をおこすと言われています*2。この場合は入院が必要となります。

そして、発症者の約5%の人は集中治療を必要とするほど重症になると言われています。重症化しやすいのは高齢者と持病のある方(糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPD等)等の基礎疾患がある方や透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている方)が多いです*3が、若い人や持病の無い方であっても油断は禁物です。