第14回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会
大会1日目開催レポート
会期:2023年5月12日(金)~14日(日)
大会長:大杉 泰弘 豊田市・藤田医科大学連携地域医療学
テーマ:プライマリ・ケアのニューノーマル~プライマリ・ケアの卓越性と次世代医療との融合~
会場
5月12日:豊田市コンサートホール・能楽堂
5月13日・14日:ポートメッセなごや
公式ホームページ:https://jpca2023.org
豊田市能楽堂で行われたシンポジウムは、①コミュニティホスピタルと②在宅医療がテーマ。
能楽堂が会場のため、壇上のシンポジストは靴を脱ぎ、足袋を履いて。上手から下手へはけるという今まで見たことのないシンポジウムスタイルでした!
厳かな雰囲気で、楽しい2時間の2本立てでした。
まず1つめのセッションは
「コミュニティホスピタルの変革事例 〜創業から守成へ〜」
医師、看護師、事務長がシンポジストのセッション。コミュニティホスピタル(CH)は、プライマリ・ケア外来、地域包括ケア病棟、在宅医療の診療機能を備えた、概ね200床以下の病院を指すそうです。
CHの立ち上げからの道のりや課題が各シンポジストからシェアされました。4人中3人は、外部から立ち上げのためにCH移動したとのこと。
最初は、何ができる人なのかが周りに理解されず、苦心したそうです。
地域と関わり続けること、組織改変や人材育成に投資することで少しずつ周囲の信頼を得てきた過程を聞いて、その熱に心動かされました。
最後にあった座長の井野先生のお言葉で、「地域に活気ができる、他の医療職への教育も進む。みんなが生きがいを感じながら働ける」とおっしゃっていました。
みんなが生きがいを感じられる地域って最高だと思いました。これからのCHの発展が楽しみです。
2つ目のセッションは、
「在宅医療・地域医療の未来」
藤沼先生、市橋先生、佐々木先生が語る地球や日本の未来。「患者中心の医療から個別中心の医療へ」から始まり、気候変動、遠隔診療、在宅医療の成熟段階、意思決定、保険制度、ゲノム医療などJPCA2023のこれからの学びにつながる様々なキーワードになぜ私たちが関わらなければならないのか、どうか関われば良いかもしれないのかを知ることができました。
字で書くと、無機質ですが、会場の雰囲気、演者の熱や思いが心に響き、明日からの日常の光になる講演でした。
現在や未来に課題は山積していますが、それをみんなの力で良い方に動かしていきたいと強く感じました。
私もそれらの課題と対峙しながら、楽しくこれからを過ごしていきたいと思います。
どちらのセッションも現地だからこその心のこもった学びがあり、胸を打たれました。
第14回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会
実行委員広報担当 山崎瑞季