新型コロナウイルス感染者が再び増加しています。これからお盆休みを迎えるにあたりどんなことに気をつけて過ごせばよいでしょうか。
新規感染者が増加しています※1
2022年7月に入り、新型コロナウイルスの新規感染者が日本国内、全ての都道府県で増加しました。年代別でも、全ての年代で増加しています。新規感染者の感染場所は学校や自宅における割合がそれぞれ増える傾向にあります。
なぜ感染者が増加しているの?※2
感染拡大の原因として、以下の点が考えられています。
- ワクチンを接種してから時間が経過している
新型コロナワクチンは接種から一定期間経過すると、感染予防効果が下がってくることがわかっています。3回目接種は昨年12月から開始されており、接種開始から半年以上経過した方増えて感染の再拡大に繋がった可能性があります。
また、ワクチン接種だけでなく新型コロナウイルスへの感染によって、感染予防などの力(免疫)を獲得しますが、その効果も時間の経過とともに下がってくることがわかっています。 - 変異株の出現
新型コロナウイルスは、自分の設計図である遺伝子を少しずつ書き換えながら流行を続けています(こちらの記事もご参照ください「知りたい、変異株のこと ※2021年8月10日時点」)。現在世界的に感染の主流はオミクロン株(B.1.1.529系統の変異株)ですが、その中でもBA.2系統の流行から、BA.5系統への置き換わりが進んでいるとされています。特にBA.5系統は、BA.2系統と比べて感染者数がより増加しやすく、今までに獲得した免疫がうまく機能しないことが懸念されています※3。 - 冷房により換気がされにくい
夏を迎えてエアコンの利用が増え、換気がされにくいことも影響しているとされています。換気を行わないと、ウイルスを含む飛沫や細かな粒子が部屋に充満し、感染拡大につながる恐れがあります※4。
どんなことに気をつければよいの?※2
- まずはワクチンを接種しましょう
60歳以上の方や、18歳以上で基礎疾患を有する方や医療従事者などは、4回目の接種ができます。また、4回目接種の対象ではない12歳以上の方は3回の接種、5~11歳のお子さんは2回の接種ができます。3回目接種を受けた方は7月25日現在で62.4%です※5。7月28日時点で、国によるワクチン接種は今年の9月30日までとなっています。1・2回目接種がまだできていない方、追加の接種(3回目や4回目)をしていない方は改めて接種を検討してみましょう。 - 検査を活用しましょう
大人数での会食や高齢者と接する場合(特にお盆・夏休みの帰省での接触)の前には事前に検査をすることが推奨されています。 - 効果的な換気の徹底
空気の入口(給気口)と出口(排気口)を確認し換気を実施しましょう。パーティションを設置する時は空気の流れを阻害しないようにすることも大切です。 - 基本的な感染対策の再点検と徹底をしましよう
マスク着用や、手洗い、換気などの徹底を継続することが必要です。混雑した場所や換気が悪く大人数・大声を出すような感染リスクの高い場面・場所も避けましょう。飲食はできるだけ少人数で黙食を基本とし、飲食時以外はマスク着用を徹底しましょう。一方で屋外では近距離で会話する場合を除き、マスク着用は必要ありません。夏場は熱中症予防の観点から屋外ではマスクを外すことが推奨されています※6。
夏休みやお盆を迎えると普段会わない方と接触する機会が増えるかもしれません。お互いを守るためにも「感染しない、させない」意識を大切にしましょう。
参考文献:
※1 第90回(令和4年7月21日) 新型コロナウイルス感染症対策 アドバイザリーボード 資料2-3
※2 第90回(令和4年7月21日) 新型コロナウイルス感染症対策 アドバイザリーボード 資料1
※3 国立感染症研究所:感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異株について (第18報)
※4 新型コロナウイルス感染症対策分科会 感染拡大防止のための効果的な換気について令和4年7月14日(火)
※5 首相官邸 新型コロナワクチンについて
※6 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症対策推進本部 事務連絡」
※2022年7月現在の情報を参考に作成しています。
作成:Health Amulet(ヘルスアミュレット)編集部